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食い逃げ魚との死闘



9月某日。

予報では天気は荒れるはずだったが、

午前5時の出航時には雲の切れ目から晴れ間がのぞき、

太陽が上がった時点で真っ青な空が広がった。

 千葉の内房、外川港のある釣り船である。





初日から50尾や60尾のカワハギが上がっており、

悪くても2〜30尾はいけるという釣況は上々。

 釣りを本格的に始めて3年ほど。

その間、月に3〜4度は船に乗っているのだ。今まで様々な魚を釣り上げた。

メバル、カサゴ、タイにイカ。タコもそうだし最近カツオもやった。

それから…、と考え込むほどの魚を釣り上げたのである。

 その中で「カワハギ」ほど、むかつく魚はいなかった。

今まで2度挑戦し結果は2尾のみ。一度は完全ボーズ(つまり0尾ね)。

 釣れていなかったわけじゃない。釣っている人は10も20も釣っていたのだ。

しかし、私には全然釣れなかったのである。

 仕掛けも餌(アサリの剥き身)もまったく同じ。

なのに、一方は釣れて私は釣れない。

 あれから(つまり完全ボーズから)1年。

腕もそれなりに上がっており、

釣れているという状況ならイケルのではないかと思い船に乗ったのである。


一年前のリベンジだった。

 
船は10分ほどでポイントに到着。

港がすぐそこに見える水深16メートルほどの浅瀬。

船長の合図で両舷から仕掛けが海に飛んだ。 

使用する仕掛けは「胴付き」と呼ばれるもので、

一番下に錘を付けてその上に等間隔で3本の針付きの枝針が出ているもの。

餌は、アサリの剥き身。





 さて、カワハギと他の魚の釣りとの違いは何かというと、

そのアタリの微妙さにある。

普通、魚は泳ぐもの。

あまりひとつ所に滞留することなく、海の中を自由自在に泳ぎまわっているのである。
 
そして、餌を捕食するとそのまま泳ぎ去って行こうとする。

その動作が竿に伝わりアタリや引きとなって釣り人に知らされる。

 では、カワハギはどうなのかと言うと、

なんと海の中でヘリコプターのようにホバリングしながら餌を啄ばむのである。

 つまり、普通の魚のように「パク」と食って、

「サー」と泳いで行かず止まったまま「チョンチョン」と餌を食べるのである。

 だから、餌を啄ばんでいる最中は竿がグンと引かれることもなく、

ましてやブルルと明確な手応えもない。

 実際、カワハギは、ユラユラ海中で揺れているアサリを、

まあ、ホント上手に釣り人に知られずに食うのである。

何も手応えのないまま仕掛けを上げると餌のアサリがきれいさっぱりなくなっていた。

 なんてことは、普通のことなのだ。

 カワハギの別名は「餌取り名人」。

海中の「食い逃げの達人」なのである。

 で、その食い逃げ野郎を釣るには、

餌を啄ばんでいる「チョンチョン」という微妙なアタリを感知し、

アワセ(針を掛けること)なければならない。


これが、難しい。

本当に難しい。


だって、ホントにアタリが小さくて微妙なのだよ。

 例えるなら、「キノコの山」の中にタケノコを見つけるようなもの。

 したがって、

カワハギ釣りの竿は他の釣りと違って繊細な竿先を持つ専用竿を使用する人がほとんど。

いや、その竿でしか釣れないと断言してもいいほど。

 もちろん、仕掛けを落としたままジッと待っていてもカワハギは釣れない。

やはり、誘い(魚に餌をアピールする動作)をしてカワハギを寄せて、

そして全神経を集中してアタリを感知しなければ、ホントにまったく釣れないのである。
 
 船上では、釣り人全員が、竿を細かく鋭く上下に振っている。

これが「タタキ」という誘い。

竿をこう動かすと海中で餌のアサリが踊るように動くのだ。

そうすると「オッ!。あんなとこにうまそうな餌があるジャン!」てな感じで、

魚がワーと集まってくるのである。

 そして、「たたいて」いた竿をピタッと止めると、

食べたいのに激しく動いていたから食べられなかった餌を、

「待ってました!」とばかりに魚が食べるのである。

 ここが最大のチャンス。その瞬間にカワハギが針に掛かることが多いのだ。

 周りを見回すと釣り人が、

このたたき釣りでポツリポツリと小さなカワハギを上げ始めていた。

しかし、まだ釣りは始まったばかり。

「たたき」の他にも誘いはあり、各人がそれを試している段階。

 その日、その時、

どの誘いがカワハギにアピールできるか(つまり集めることができるか)は、

実はやってみるまではわからない。

 誘いは「タタキ」の他に「弛ませ(糸をピンと張らずに海中で弛ませること)」などもあり、

釣り人それぞれがそれぞれの方法を試して一番いい誘いを見つけるのである。

 で、私はというと、ゆっくり上下に竿を動かして時々ピタッと止める誘いをしていた。

 なぜこんな誘いを?と言われても困るが、まあ、なんとなく…。

その時、釣りの神が私に舞い降りたとしか言いようがない。 

 すると…。ピンと竿先が揺れた。これ、ほんと。

ピンよピン。

微妙に竿先が揺れたのだ。

「フン!」と間髪を入れずに竿先を上げる軽いアワセをくれると、

底で魚の暴れる明確な感触。

クンクンと鋭角的な引き込みは、紛れもなくカワハギの引き。

「この野郎! 食い逃げできると思うなよ!」てな感じで引き上げて、

まずは1尾をゲット。





 …幸先いいジャン。

さすが、長年の経験はダテじゃない。

前回は、あれほどわからなかったカワハギの微妙なアタリを感知して釣ったのだ。
 
もしかして、何時の間にか、私の腕は名人級?。なあんてひとりほくそえむ。

こりゃ、竿頭(一番釣った人)になっちゃうな〜。いや〜、参ったなあ〜。へへ〜!。

 と、再び今度は「コンコン」という大き目のアタリ。

キタ〜!と巻き上げると引きがさっきより力強い。

「こりゃ、大物だ〜!」と喜んだのも束の間。

カワハギが海面に姿を現したと思ったら針が外れ海中に。

 まあ、いかな名人といえどもこんなことは「まま」ある。

弘法さんも筆を誤るぐらいだし、このぐらいは、名人の愛嬌というもの。


 カワハギの攻略はすでに手中にした。


後は、釣って釣って釣りまくるだけだ!
 
ということで、気を取り直して再び竿を出す。しかし…。

「どした? カワハギの野郎どこ行った!」というほど、まったくアタリがなくなった。
 
しかし、仕掛けを上げてみると餌のアサリがきれいさっぱりなくなっている。

 私が進化したと同時に、

カワハギの野郎もこの短時間で食い逃げのテクニックを進化させたようだ。

「てめぇ、ダーウィンのおっさんに申し訳ないと思わんのか!

進化のスピードが速すぎるんだよ!」

 海に罵っても、結果は同じ。

アタリもわからずに餌だけが取られていく。

 周りはというと、なんと、ポツリポツリとだが釣れているじゃあないですか!

「て、ことは…」とここで考えた。

 この名人の俺の上を行くってことだから…。

「こいつらぁ〜、仙人だったのか!」

 そっちかい!
  
 その仙人たちの釣り方を観察しているとほとんどが「弛ませ」に変わっていた。

つまり、カワハギが食ってくる餌の誘いがさっきと変わっていたのだ。

「弛ませ」とは、錘が底に着いたら糸をピンと張らずに、

文字通り糸を弛ませ(つまり餌を底でユラユラさせる)、

そして、ゆっくり聞き上げる(糸を上に引くこと)釣り方。

 どうも、このゆっくり聞き上げるときに、カワハギが食ってくるようだった。

 ここまでわかれば、十分だ。早速、同じ方法を試すことに。

 糸を弛ませ、ゆっくり聞き上げる。

すると、ブルンと魚が食ってきた。

急いで巻き上げると針掛かりしていたのはベラだった。

 ならば、もう一度。ブルンとアタリ。

上げるとベラである。もう一度、ブルン。ベラ登場。

その次もベラ、ベラ、べム、ベロ…

「おまえたちゃ、妖怪人間か!」

 私が釣りたいのは、違う魚なのだ。

ベラは引っ込んでろぃ!

絶対に、ベラを掻き分けて本命が食ってくるはず。

だって、周りの釣り人はちゃんと本命をあげてるのだから間違いない。

ここは落ち着いて再投入。

 すると、ベラ、べラ、トラギス、ベラ…

「トラギスじゃないんだよ。トラギスじゃ…」

 これは、おかしいだろう。なぜ、自分のところにはカワハギが食ってこないのか。

まったくわからない。

 時間は刻々と過ぎていく。周りでは、カワハギが確かに釣れている。

しかし、私にはベラとトラギスのみが釣れまくる。
 
 名人の上をいく仙人の中で、そのまた上をいく神様がいた。

バシバシとカワハギを釣っている。見ていて惚れ惚れするほどカワハギを釣っているのだ。

「どのぐらい釣れました?」と聞くと、

「う〜ん」といいながらバケツの中のカワハギをしばし見つめてこう言った。

「25ぐらいかな」

 この時点で私のバケツには、カワハギは1尾のみ。

この差は何なのだろう。悩む、まったく悩んでしまう。

「師匠!」

 こうなりゃ、なりふり構ってられない!

「…えっ? 俺のこと?」

大原「師匠!我が心のお師匠様! カメハメ波を教えてください!」
 教えてくれることになった。いい人である。
師匠「まずは、錘が底に着いたら竿でたたいて魚を寄せる」
大原「ほうほう、こうッスね?」
師匠「そう。そして糸を出して弛ませて…」
大原「なるほど」
師匠「ゆっくり、聞き上げる。あっ、ダメダメ。もっとゆっくり。そうそう。そうするとカワハギが、餌が逃げる〜って食ってきますよ。今日は、このパターンです」
大原「…餌が逃げる〜ッスか…」
師匠「そうです」

「餌が逃げる〜」かどうかはわからないが、神様のいう通りにすると、

いきなりブルルではなくてコンコンという硬質なアタリ。

「キタ〜!」

 そして、2尾目をゲット!

「ドラゴンボールはあと5つ!」

 だが…。結局釣れたのは、この2尾で終わった。

この日、一番釣ったのは神様の30尾。

 この違いは、何なのか?


運かもしれない。

ちなみに神様に宝くじが当たったことがあるかどうか聞いたら、

「ない!」と断言されました。ということは、運は私と同程度。

 やはり、腕の問題か?

 悩むところではある。

 だが、このまま終わらせる気はさらさらない。

いつかどこかで必ず仇はとってやると心に誓いつつ次回に続く…。

 「地図アプリ」の千葉西部を塗りつぶした。それでも順位は3桁に後退。

ズルズルと下がっていく順位。

 釣りも順位も 秋の空 その気になっても 上がってくれず 思い煩う昼寝かな

 オソマツ













JUGEMテーマ:地域/ローカル


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